幸せを集める一年に 2025年新年勤行会拝読御書「十字御書」

2025年が明けました。皆さんは、どんな一年にしたいですか?

創価学会では、今年のテーマを「世界青年学会 飛翔の年」と掲げています。

今月、SGI(創価学会インタナショナル)は発足から50周年を迎えます。日蓮大聖人の仏法は、今、世界192カ国・地域に広がり、24時間365日、地球のどこかで誰かが南無妙法蓮華経のお題目を唱えています。

そして、一人一人がそれぞれの目標や課題に向き合いながら、幸せの人生を切り開いているのです。まさに、創価学会が世界を飛翔する時代です。

自分自身も、大きく飛翔する年にしていきたいですね。

ここでは、幸せの一年にしていくポイントについて、創価学会の2025年の「新年の御書」である「十字(むしもち)御書」を拝します。

本文

今、正月の始めに法華経をくようしまいらせんとおぼしめす御心は、木より花のさき、池より蓮のつぼみ、雪山のせんだんのひらけ、月の始めて出ずるなるべし。
今、日本国の、法華経をかたきとして、わざわいを千里の外よりまねき出だせり。これをもっておもうに、今また法華経を信ずる人は、さいわいを万里の外よりあつむべし。

(御書新版2037ページ6行目~9行目、御書全集1492ページ6行目~8行目)

意味

今、正月の初めに法華経を供養しようと思われるお心は、木から桜の花が咲き、池から蓮のつぼみが出て、雪山の栴檀(せんだん)の双葉が開き、月が初めて出るようなものであろう。
今、日本の国は法華経を敵(かたき)として、禍(わざわい)を千里の外から招き出している。このことから考えてみると、今また、法華経を信ずる人は、幸いを万里の外から集めることであろう。

語句の説明

・「十字」(むしもち)
「十字」と書いて「むしもち」と読むのは、蒸して作る餅の表面に十字の切れ込みを入れたから。本抄の冒頭に、「十字一百まい」の供養があったことが記されている。

法華経に供養する心を春の訪れなどに譬え、法華経を信じる人は必ず幸せになれることを教えられています。

法華経は、大乗仏教の最高の経典とされていて、万人成仏、つまり、ありとあらゆる人が幸せになれることを教えています。

大事なことは、“自分自身が幸せになれるんだ”と信じることだけではありません。同時に、“自分以外の人もみんな幸せになれる”と信じることです。その人こそ、「法華経を信ずる人」と言えるでしょう。

反対に、自分と他者の幸せの可能性を信じられないこと、自分や他者を蔑ろにしてしまうことは、「法華経を敵(かたき)とする」ことと言えます。

拝読範囲の直前で、大聖人は、「さいわいは心よりいでて我をかざる」(御書新版2037ページ・御書全集1492ページ)と言われています。

一見すると、「さいわいを万里の外よりあつむべし」という言葉と矛盾するような気もします。

心は言動に表れるものです。

自分も他者も、必ず幸せになれる人だと信じ大切に思う。その心は行動となって、周囲に希望や勇気を広げていくはずです。そして、その行動はやがて自分にかえってくる――人に優しくされたら、優しさを返したくなるものです。結果的に、周囲から自分自身が大切にされていくのです。

まさに、「さいわいは心よりいでて我をかざる」、「さいわいを万里の外よりあつむべし」という表現がぴったりではないでしょうか。

50年前(1975年)、SGIの発足にあたって池田先生は、“自分自身が花を咲かせようという気持ちでなく、全世界に平和の種をまいて尊い一生を送ろう”と呼び掛けられました。後にその真情を、こう綴られています。

「『他人だけの不幸』がありえないのと同じく『自分だけの幸福』もありえない――他者のなかに自分を見、自分のなかに他者との一体性を感じていく、『小我』を打ち破った『大我』に生きる菩薩道をともに生き抜こうとの、心の底からの叫びでもありました」(『人間革命の実践 池田大作先生の指導選集[中]』)

日々の生活の中には思うようにいかないこともあります。ですが、どんな時にも、「必ず幸せになる」と自分を信じ抜く。同時に、周囲の人々を心から大切にし、励ましを送っていく。そうやって、“幸せを集める”一年にしてきましょう。

御書のページ数は、創価学会発行の『日蓮大聖人御書全集 新版』(御書新版)、『日蓮大聖人御書全集』(御書全集)のものです。

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