創価学会の活動から見る「介護予防」と「地域づくり」

沖縄に暮らして20年以上、介護と医療の現場に携わってきました。
この島で出会った人ほど、人情深く、隔たりなく人を受け入れる人々はいません。生まれた場所に関係なく、誰をも温かく迎える懐の深さが、沖縄には日常として根付いています。

そんな沖縄、特に離島での支援に関わる中で、厳しい現実を目の当たりにすることがあります。
医療や介護が必要になると、支援体制が整っていないことが多く、“島に戻らない”という選択をせざるを得ないことが多いこと。人生の最期を、住み慣れたわが家で迎えられない。その事実に胸が痛む場面が幾度もありました。

今、日本では「地域包括ケア(注)」が推進され、「住み慣れた家で最後まで自分らしく暮らす」ことが大きなテーマとなっています。

(注)地域包括ケア
重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるシステム。(厚生労働省HPを参照)

医療・介護体制の整備のほかに、その鍵となるのが、介護や医療が必要になる前に健康を守る“介護予防”の考え方、そして地域とのつながりの中で退職後の人生を豊かに生きる“地域づくり”です。

現在、厚生労働省の「介護予防・日常生活支援総合事業」によって、市町村が中心となって、地域の支え合い体制づくりが推進されています(厚生労働省HPから)。これは、人口減少と超高齢化が進む地域にとって、未来をひらく大切な力となります。

横のつながりが強く、模合(もあい)などの互助・共助の仕組みが自然と育まれてきた沖縄であっても、とりわけ離島にとっては、遠くない未来を左右する喫緊の課題です。

私はリハビリの仕事をしており、地域包括ケアを担う推進リーダーとしてこれらの課題と向き合う中で、日ごろから感じていることがあります。

“介護予防”という言葉を聞くと、体操や運動教室など、健康づくりを思い浮かべることが多いかもしれません。
けれど実際に関わる上で大切だと感じるのは“人とのつながり”です。誰かと顔を合わせ、声を掛け合い、役割を持って過ごす日常。実は社会との繋がりこそが最大の介護予防と言われています。

“地域づくり”も同じ考え方です。
困った人が出てから支える仕組みを作るのではなく、そもそも困りにくい暮らしをどう作っていくか、そこに目を向けることがこれからの地域には求められています。
高齢者になったら“支援を受ける側”ではなく、豊富な人生経験や知恵を使ってできることはしてもらう。できない事よりできる事に注目していく視点がとても重要です。

“誰も取り残さない地域”をつくるために

実は、創価学会の活動で大切にしている、毎月の「座談会」、一人に寄り添う「訪問・激励」、心を開き合う「対話」。そのいずれもが、現代社会が求める“誰ひとり取り残さない地域づくり”そのものなのではないかと感じます。

たとえば、地域の中で様々な世代が集まる座談会で、
高齢者が地域に住む若い世代に温かな励ましを送ること。
それは高齢者にとって人生の張り合いになります。と同時に、励ましを受けた側にとっては家族以外の人から注がれる愛情を感じ、子どもであれば伸び伸びと育ちゆく土壌となります。

創価学会員が他の会員のお宅を訪ね、「お元気ですか?」「困っていることはありませんか?」などと声をかけること。
高齢者の一人暮らし世帯が増える中で、それは孤立を防ぎ、医療・介護とは繋がっていない層への働きかけに結びつきます。

心と心が通じ合う対話。それは一人一人の人生や背景への尊敬を忘れず、自身が生きてきた中での体験を語ることで、相手の心に勇気と希望の火をともします。
高齢者自身が豊かな人生経験を語ることで、自分自身が誰かの力となり、必要とされることが、生きがいへと繋がる確かな希望となります。

沖縄×一人を大切にする生き方

日蓮大聖人の言葉に、

「その国の仏法は貴辺にまかせたてまつり候ぞ」(御書新版1953㌻・御書全集1467㌻)

とあります。「国」とは、私たちが暮らす地域・家庭・職場など、すべての生活の場と拝することができます。すなわち、“今いる場所を、自分の責任で、より良い場所にしていきなさい”という励ましです。
 
離島でも、本島でも、どの地域に暮らす人にとっても、その場所はそこにいる人たちがよりよくしていく場所です。

世代を超えて交流すること。
人と会い励まし合うこと。
対話を通して
心と心をつなぐこと。

その積み重ねと広がりが地域の未来を、そして誰かの人生を確かに変えていきます。

若い世代には、地域とつながる喜びを。
働く世代には、日々のふれあいから生まれる支え合いの力を。
高齢の世代には、経験と知恵が地域の宝であるという誇りを。

どの世代も、どんな立場になっても「自分の住む場所を、自分の手でより良くしていける」。
その主体者になることができます。

沖縄がもつ隔たりのない温かさ。
創価学会の活動が教えてくれる、一人を大切にする生き方。
この二つが重なるとき、沖縄は、分け隔てなく互いに支え合い、励まし合いながら、より豊かな人生をまっとうできるモデルケースとなるのではないか、と感じています。

御書のページ数は、創価学会発行の『日蓮大聖人御書全集 新版』(御書新版)、『日蓮大聖人御書全集』(御書全集)のものです。

SOKAnetの会員サポートには、教学研鑽用に以下のコンテンツがあります(「活動別」→「教学」)。どなたでも登録せずに利用できますので、ぜひご活用ください。
・御書検索(御書新版・御書全集) ・教学用語検索
・Nichiren Buddhism Library ・教学入門 ・まんが日蓮大聖人
・仏教ものがたり(動画) ・教学クイズ ・座談会御書e講義

この記事のtag

#地域 #社会