「さすがだな!」と信頼される人に 2026年10月度拝読御書「四条金吾殿御返事(煩悩即菩提の事)」

創価学会では、毎月、全国各地で座談会という集いを開き、鎌倉時代の日蓮大聖人(1222年~1282年)が書き残された「御書」(論文や手紙など)を学び合います。機関誌の「大白蓮華」や「聖教新聞」には、その月に学ぶ「座談会拝読御書」を解説する記事が掲載されていますので、ここでは、信仰を持っていない方々にも理解しやすい視点から、青年部員が御書の内容を解説します。

1997年に連続ドラマが放送されて以来、多くのファンを魅了し続けてきた作品の最新映画が公開され、話題を呼んでいます。

当時、母親の影響で見始めた私も、そのファンの一人。今でも、ドラマの再放送を見たり、これまでの映画シリーズを振り返ったりするたび、「やっぱり名作だよなー」と、ほかの作品にはない魅力に、心〝躍って〟います。

このシリーズの監督を務めている方のインタビューを読み、長年苦楽を共にしてきたキャスト・スタッフとの信頼関係があってこそ、いい作品ができているのだと、強く感じました。

次元は異なりますが、今回の「四条金吾殿御返事(煩悩即菩提の事)」でも、周囲から信頼される人になるよう教えられています。

大聖人が門下に送った励ましの言葉を、私たちの日々の生活に生かしていきましょう。

拝読御書について

「四条金吾殿御返事(煩悩即菩提の事)」は、1272年(文永9年)5月、日蓮大聖人が、鎌倉の門下の中心者の一人・四条金吾に送られたお手紙です。

大聖人がこのお手紙を書かれたのは、流罪地の佐渡でした。前年9月に「竜の口の法難(注)」に遭うなど、大聖人に多くの大難が競い起こり、その門下もまた、投獄・追放・所領没収などの迫害を受けていました。厳しい状況に耐えられなかった多くの弟子たちが信仰をやめてしまう中、一歩も退くことなく信心を貫いたのが、四条金吾でした。

(注)竜の口の法難[たつのくちのほうなん]
1271年(文永8年)9月12日の深夜、日蓮大聖人が斬首の危機に遭われた法難。その直後、不当な審議の末、佐渡へ流刑に処せられた法難が佐渡流罪。

本抄の冒頭、遠路はるばる佐渡まで大聖人を訪ねてきたことへの感謝の言葉を述べられます。そして、常に師を支えてきた金吾に対し、「法華経の行者」として大難に遭うことは、喜ばしいことであり、これによって、生死の苦悩を断ち切り、仏の境涯を得られると教えられています。

最後に、金吾の闘争を称賛されるとともに、信心を貫く重要性を強調され、「法華宗の四条金吾」と、国中から称えられる存在になっていくよう、励まされています。

本文

法華経の信心をとおし給え。火をきるに、やすみぬれば火をえず。強盛の大信力をいだして、「法華宗の四条金吾、四条金吾」と、鎌倉中の上下万人、乃至日本国の一切衆生の口にうたわれ給え。あしき名さえ流す。いわんやよき名をや。いかにいわんや法華経ゆえの名をや。

(御書新版1522㌻13行目~15行目 御書全集1117㌻18行目~1118㌻3行目)

意味

法華経の信心を貫き通しなさい。火をおこすのに、途中で休んでしまったなら、火を得ることはできない。
強盛の大信力を出して、「法華宗の四条金吾、四条金吾」と、鎌倉中の上下万人をはじめ、日本国の一切衆生の口にうたわれていきなさい。人は悪名でさえ流すものだ。まして、善き名を流すのは当然である。ましてや、法華経ゆえの名はいうまでもない。

今回学ぶ御文の冒頭で、この信心を貫き通すことの重要性を、火おこしの例えを用いて説かれています。木と木をこすり合わせた摩擦熱で火をおこすことができます。

しかし、慣れない人には忍耐強さが求められる作業であり、途中でこすることをやめてしまえば、火をおこすことはできません。それと同じように、一生成仏を目指す信心もまた、地道に実践を貫くことが大切であることを示されています。

続いて大聖人は、「強盛の大信力をいだして」と仰せです。どこまでも強盛な信心を奮い起こしていくことの大切さを教えられています。

別の御書でも、「受くるはやすく、持つはかたし」(新1544・全1136)と金吾に教えられており、悪縁の多い末法において、純粋な心で信仰を持ち続けることは、簡単ではありません。

まして、正法を実践する人の前に障魔が現れ、難に遭うことも、さまざまな御書で教えられています。だからこそ、粘り強く不退の実践を貫き通し、今一重の深い信心を奮い起こすことを教えられているのではないでしょうか。

さらに、「法華宗の四条金吾」、すなわち「日蓮大聖人門下の四条金吾」として、日本中の人々から尊敬される人物になりなさいと、金吾を励まされています。

鎌倉の門下たちがさまざまな迫害を受けている中にあって、その中心者だった金吾は、〝大聖人門下としてどんな困難にも負けず、強盛に信心に励んで人々が讃嘆するような勝利の実証を示そう〟と、勇気づけられたことでしょう。

苦難を乗り越え勝利の実証を示す

この「法華宗の四条金吾」の御文について、池田先生は仏法者にとっての「永遠の指標」だとした上で、次のようにつづられました。

学会員は、この御金言を心肝に染め、現実の人生に妙法の果徳を厳然と現しながら生き抜いてきました。これ以上の尊き、素晴らしき人生はありません。(『勝利の経典「御書」に学ぶ』第20巻)

厳しい現実から逃げるのではなく、信心根本に勝利の実証を示していくーーその生き方を通して、周囲に信頼を広げていくことが大切です。

その具体例として、ある男子部員のエピソードを紹介します。

彼は、高校を卒業して就職するも、当時の職場への不満から、安定した仕事を求めて転職活動に挑戦しました。しかし、60社連続で不採用となり、まるで自身の人格まで否定されたかのように感じて生きる希望を失っていた時、この信心に出あいました。

その後、就職先が決まり、再出発を切ったものの、さらなる壁にぶつかります。海外とのやりとりが多い仕事柄、語学力を求められることが多く、英語が話せなかった彼は、周囲と比べて自身の力不足に落ち込みます。

さらに、職場での信頼を失い人間関係に悩むように。帯状疱疹が出るなど、心身ともに限界を迎えていた彼を支えたのは、地域の男子部メンバーの励ましでした。〝どんな苦難も、この信心で乗り越えよう〟と奮起し、必死に題目に挑戦しました。

苦しい状況の中でも唱題に励み、生活を立て直していきました。体調も徐々に回復し、英語の習得にも挑戦しました。また、昔は〝全部、周りの環境が悪いんだ〟と決めつけていた彼が、クライアントや一緒に働く人たちに感謝できるようになりました。

すると、自然と周囲の人も支えてくれるようになり、案件を勝ち取るなど、着実に実績を積み重ねていきました。その結果、一度は失ったと思った会社での信頼を築くことができたのです。

その後、シニアマネージャーに昇格し、大型プロジェクトを任されるように。3年前には合同会社を起業するなど、大きな飛躍を遂げることができました。

「今は、仕事も、学会活動も、全部楽しいです。これからも信心根本に、信頼の輪を大きく広げていきます!」と、笑顔で語っています。

彼のように、それぞれの使命の舞台で勝利の実証を示し、信頼を広げる創価の青年たちが、日本中、世界中にたくさんいます。その根本は、今いる場所で「創価学会の人はさすがだな!」と言われる存在になろうという決意と大確信の祈りです。

地域に社会に信頼を広げる挑戦の日々を送っていきましょう!

御書のページ数は、創価学会発行の『日蓮大聖人御書全集 新版』(御書新版)、『日蓮大聖人御書全集』(御書全集)のものです。

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