保護者会に行ったら半分がパパでした

子どもの様子をうれしそうに聞くパパたち

先日、保育園の保護者会に参加した。1歳児クラスには、わが子を含めて8人の子どもがいる。密を避けるため、保護者会に参加する親は各家庭から1名のみ。参加した8人の親のうち、半分がパパだった。子どもの保育園での様子をうれしそうに聞くパパたちの姿を見ながら、時代の変化をひしひしと感じた。

今の社会には、変わってきている部分と、なかなか変わっていかない部分がある。変わってきているのは、男性の意識だ。令和4年版男女共同参画白書によると、20~30代男性の7割以上が、家事育児を妻と半分ずつ分担したいと希望している。平日午後の保護者会に参加するパパたちがいるのも、うなずける。週末の公園や児童館でも、子どもと一緒に遊ぶパパの姿はいまや当たり前の風景だ。

一方で、家事育児を積極的に行いたくても、仕事が忙しく、それがかなわない男性も多い。長時間労働や出社マストといった日本の労働慣行はいまだ根強く、来月から県外に異動といった突然の転勤も耳にする。こうした働き方はもちろん、さまざまな制度や体制は、家事や育児という「ケア労働」を妻や母が無償で担う前提のもとで成り立っている。日本社会のなかなか変わっていかない部分だ。

家族を養えてこそ一人前?

性別役割分業が色濃く残る社会は、生きづらさにもつながる。男性でいえば、「家族を養えてこそ一人前」「男は弱音を吐くな」といった社会的圧力を感じながら、競争に駆り立てられ続ける。それによって、心身の健康を害することもあるだろう。

女性には、家事育児の負担が大きくのしかかってくる。共働き世帯の家事関連にかける時間は、週全体平均で夫が1時間55分、妻は6時間33分(総務省統計局)。家事もして育児もして仕事もする。必然的に自分の時間を削るしかない。株式会社LIXILが子どものいる共働き家庭400人を対象に仕事と家庭に関して調査したところ、9割を超える女性が、一人の時間や友人との交流、睡眠、仕事のキャリアなどの「優先順位を下げた」と答えた。おそらく、専業主婦家庭でも同じことがいえるだろう。

家事育児の負担が大きい状態では、女性は復職したり、キャリアアップしたりすることをためらう。イギリスの経済誌「エコノミスト」の発表によると、OECD(経済協力開発機構)加盟国のうち、主要な29カ国の〝女性の働きやすさ〟で、日本は7年連続、下から2番目の28位だった。この結果について、エコノミストは「いまだに女性が家族かキャリアのどちらかを選ばなければならない」状況と指摘している。

心の健康を保つために ~私の場合~

女性が家族もキャリアも選べ、男性も健康第一で、家族との時間を充実させられる社会。子どもたちが働きに出る頃には、そうした未来をつくりだしたい。制度や構造、社会風土を変えることは簡単ではないが、声をあげ続け、小さな変化を積み重ねていけば、必ず変えていけるはずだ。

そのためにも、まずは私自身が仕事と子育てを頑張ろうと思う。でも、無理は続かないので、自分で自分の心身を労ることを大切にしている。心の健康という面では、誰かに話を聞いてもらうことが必要だ。私の場合は、近所に住む創価学会女性部のO先輩によく話を聞いてもらっている。O先輩は、3歳から中学生までの子どもを4人育てていて、最近フルタイムで働き始めた。

創価学会女性部では、未婚既婚を問わず、20代までを「池田華陽会」、30代から40代を「ヤング白ゆり世代」とし、全世代の女性の連帯を育む体制を取っている。世代が違えば、コミュニケーションに労力を要することはあるが、自分とは違う世代の意見や感覚を知り、学び合うことができるのは、創価学会女性部の強みだと思う。

「スープ、おすそ分け」

O先輩は、一人目が生まれた時も、二人目が生まれた時も声をかけ続けてくれた。「スープをたくさん作ったから、おすそ分け」と、家まで届けてくれたことは数しれず。先輩の自宅で昼ごはんから夕ご飯までごちそうになり、子どもをお風呂に入れて帰宅したこともたびたびある。O先輩には、愚痴も含めて、何でも話せる。先輩自身も「今これに悩んでいて」と、ありのまま話してくれる。この人に出会えてよかった、と心から思う。同時に、子育て中の全ての人に、O先輩のような存在がいてくれたらと、願わずにはいられない。

子育ては「楽しい」。けれど、「大変」でもある。「楽しい」と「大変」が、常にシーソー状態だ。あっという間に過ぎてしまう子育て期間を、できるなら、楽しさも大変さも含めて、じっくり味わいたい。そのためには、まずはパートナーである夫の存在が重要だし、それ以外にも、たくさんの人の助けが必要だ。

O先輩は、「自分もこうやって励ましてもらってきた。(あなたも)次の後輩に返してあげて」と言う。励まされた人が、今度は違う人を励ましていく。この励ましのネットワークを広げてきたのが創価学会だと思うし、これから先も変わってはいけない部分だと思う。

だから私も、先輩のように、もがきながら、ありのまま、つくろわず、自分なりに励ましの輪を広げていきたい。その積み重ねが、若い世代の皆さんが子どもを産み育てたいと思える社会につながっていくと信じて。

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