池田先生の平和提言に学ぶ——あらゆる困難を転換する不軽菩薩の実践

「立正安国論」の一節に、「汝、すべからく一身の安堵を思わば、まず四表の静謐を禱るべきものか」(御書新版44ページ・御書全集31ページ)とあります。危機に直面する社会において、「まず四表の静謐を禱る」ことこそが、これまで以上に求められていると実感します。

池田先生は、1975年1月26日のSGI発足時のことを振り返り、次のように述懐されています。
「これまで以上に、最も小さな単位である、一対一の「人間」と「人間」の交流を大切にするのだ。最も身近な使命の国土である足元の「地域」から、友情と貢献の輪を広げよう」と。

2023年1月に発表された「ウクライナ危機と核問題に関する緊急提言」で、池田先生は、「核使用を巡る緊張がエスカレートした時、その切迫性の重力に縛り付けられて、人間が持つ“紛争の悪化を食い止める力”が奪われてしまいかねない」と指摘されました。そして、“自分が行動したところで世界は変わらない”と諦めてしまう状況に、立ち向かう大切さを述べられています。

私は、そうした状況に立ち向かう原動力こそ、「四表の静謐」を祈る不撓不屈の一念であると思います。
さらに先生は、“核兵器の使用をいかに他国に思いとどまらせるか”という視点から、“「核戦争の防止」のために自国としてどのように貢献を為しうるか”という視点へのパラダイムシフトを示されました。
互いの恐怖心の上に成り立っている核の世界にあって、「核兵器の先制不使用」という誓約を実現する鍵は、どんな状況下でも相手を信じ敬う、「不軽菩薩の実践」であると感じました。

だからこそ、地道な一対一の対話にこだわって、対話の種を蒔き続ける挑戦をしていきたいと決意しています。

私が研究する農業分野においても、ウクライナ危機によって肥料価格が大幅に上昇するなどの影響が出ています。争いは人間の尊い命を奪うだけではなく、あらゆる面において負の影響を及ぼすことを、実感しています。

しかし、この局面を、「有限の資源を消費し続ける慣行農業」から、「未利用資源を有効活用する循環型農業」へと転換しゆくための奇貨にもするべく、現在、研究に取り組んでいます。
核問題と同様、農業や環境問題についても、“自分が行動したところで世界は変わらない"という考えが蔓延しているように思います。依正不二の法理と、自分が変わることで世界をも変えていけるという人間革命の哲学を、研究者としての自身の姿で示していくことこそが、世界平和という社会的使命を担い立つ信仰者の挑戦であると定めて、精進してまいります。


池田先生の平和提言はこちら(創価学会公式サイト)

ウクライナ危機と核問題に関する緊急提言「平和の回復へ歴史創造力の結集を」2023年1月11日

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