活動家の夫を持つ、妻の独り言 「会合、多くないですか?」

夫は毎日、頑張っている。仕事はもちろんのこと、平日の夜も週末も、創価学会の活動に駆けている。「今日は〇〇さんと会ってくる」「明日は〇〇さんたちと今後の活動について話し合い」……と、まぁこんな具合に。青年時代、悔いを残すな歴史を残せ、なのだろう。

おそらく、夫からすると活動に出発する直前が一番の勝負どころ。私の機嫌を損ねないよう(すでに損ねている)、「家のこと、任せっぱなしでごめんね」という雰囲気を全身に漂わせながら、言葉でも伝え、そそくさと家の扉を閉めて出ていく。そして、私と子どもたちが眠りについた後、帰宅する。土日などは起きている間に帰宅することがあり、それがまた、私を苛立たせる。なぜなら、「あーー、楽しかったーーー」というお風呂上りのようなさっぱり&上気したような“いい顔”をして帰ってくるからだ。

分かる。分かるよ。私にだって分かる。学会活動は楽しいもんね。心が生き生きするっていうか、躍動するっていうか、爽快感いっぱいの、あの感じ。同世代の人たちと、自分の悩みや家庭のこと、政治や社会のこと、いろんなことを語り合ったりすると、不思議と自分も頑張ろうって思えるしね。

……心から懐かしいよ。私も独身時代は頑張っていた、バリバリに。それはもうほんとうに、バリバリのバリだった。昔の創価学会の写真や映像に出てくる「そんなの、どこで売っているの?」「どこかの政治家ですか?」みたいなパステル&蛍光色のスーツだって着ていた。

ピンクやブルー、黄色……パキっとしたスーツの色と同じように、私もパキっと生きていた。仕事が終われば、一目散に創価学会の活動へ走っていた。「今日はこの子に信心のことを語ろう」「明日はあの子に会いに行こう」。宗教や学会について語ることで、友達といつも以上に深い話ができるのが楽しかったし、創価学会の同世代の人たちと活動するのもほんとうに楽しかった。気が付いたら、バリバリの活動家になっていた。

それが今や、どうしちまったんだ。もっと頑張りたい、頑張らなきゃという思いはあるけれど、家事や育児、仕事に追われて、座談会や本部幹部会の放映に参加するだけで精いっぱい。心の余裕を生むために、「まずは勤行・唱題しよう!」と意気込んで仏壇に向かっても、子どもたちから「ママー! ママー!」と呼ばれて、中断せざるを得ない時が多々ある。もう一回、気を取り直して始めても、後ろから抱き着きという名の激突攻撃を受け、「あれ、勤行、どこまでやったっけ?」となり、最初からやり直し。

この前は子どもたちを引き連れて、座談会に参加した。まだ幼く、わんぱくなわが子たちは、じっと静かにしていることができない。「騒いでも全然大丈夫よ~」「元気ね~」と温かい目で見てくれる人もいるが、やっぱり申し訳なさを感じてしまう。「シーだよ、シー!」「走らないで歩いて!」など言い続けていると、集中して内容を聞くこともできず、帰宅後はぐったりだった。

あぁ、ほんとうに、毎日よく頑張っている、わたしも。子どもが生まれてから、生活リズム、働き方、友達と会える頻度、学会活動にかけられる時間……1から10まですべてが変わった。特に変わったのは、夫から活動予定を聞くスタンスかもしれない。子どもが生まれる前は「男子部の集まり、多いね。楽しそうだね」と軽く受け流していたが、産後は「この日も会合?」「えっ、この日もいないの?」と、般若のような形相で聞き返すようになった。そしてそのたびに、ありとあらゆる言葉を総動員して、ぐうの音も出ないほど理路整然と「なぜ私が一人で子育てをしなければいけないのか」また「子どもの面倒を妻が見てくれる前提で組み立てられている男子部の活動はどうなのか」について述べたくなる。しかし、夫を責めてもしょうがないと気持ちを落ち着かせ、ワンオペの日々を乗り切ってきた。バリバリに活動家だった私でさえ、こんなふうに感じるんだから、創価学会に入会していない、結婚時に入会はしたが活動していない妻たちは、理解不能の極みだと思う。

もちろん、活動家の夫の多くが家庭との両立に悩み、苦悩していることは知っている。心身に不調を抱える妻や子どもをケアしながら活動している男性やシングルファーザー、親の介護をしながらの人もいる。私個人の葛藤を安易に一般化して、「活動家の妻は~」と主語を大きくして語るべきではない。けれど、今まであまり表面化してこなかった、語られてこなかった、妻の葛藤や思いをさらけ出すことで、創価学会の前進につながる“何か”があるのではないか。そんなふうにも感じている。

活動と家庭との両立に対する、これといった正解は持ち合わせていないが、心から思うのは、大好きな創価学会をもっと発展させていきたい、子どもたちに信心やさらに魅力ある創価学会を残していきたい、ということだ。「子育て中だから頑張れなくても仕方ない」「男子部の間は子どもと関われなくても仕方ない」ではなく、「子育て中も」「男子部の間も」何かを我慢したり、あきらめたりすることなく、生き生きと頑張れる体制や在り方はないものか。これまで創価学会を築き上げてきた先輩たちへの敬意を忘れず、あーでもないこーでもないと考えていこうと思う。

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#活動 #子育て日記

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