難民映画祭で観た"忘れられない一本"の話 〜創価学会と難民支援について〜
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創価学会では、平和や人権、そして困っている人に寄り添う取り組みが長く続いています。
その中で、「難民の現実に心を向けることも大切だ」という意識は、学会員として以前から持っていました。
ただ、日常の中で"難民問題"を深く考える機会は、それほど多くありませんでした。
そんなとき、11月6日に行われた難民映画祭のオープニング上映会に参加する機会をいただきました。
「この機会に、一度しっかり向き合ってみよう」と思い、足を運んだのが今回の上映会でした。
そして、この日出会った一本の映画、『ハルツーム(Khartoum)』が、自分の予想以上に深く心を揺さぶる作品でした。
映画が"世界の向こう側"を近くした瞬間
上映された『ハルツーム』は、2023年に紛争がぼっ発したスーダンの首都ハルツームを舞台に、避難の中で生き抜く5人の市民の姿を描いた作品です。
特に印象的だったのは、彼らの日常や夢が崩れていく様子を、静かな語り口で淡々と描いていた点でした。
ある登場人物が漏らした「夢を諦めることが一番怖かった」という言葉は、胸の奥に静かに残りました。
上映後のイベントには、登壇者としてUNHCR親善大使の MIYAVIさんのほか、紗栄子さん、石原さとみさん が登場し、作品をめぐる思いを語っていました。
特に石原さとみさんは、
「この映画を通して、"いま世界で起きていること"を自分自身のこととして受け止める必要があると強く感じました。小さな意識の変化が、行動への第一歩になると思います。」
と語っていて、そのメッセージがまっすぐに心に響きました。
その言葉のあと、一緒に来ていた友人がぽつりとつぶやきました。
「あの主人公、自分と同じくらいの年齢だったな……」
その瞬間、"遠い国の出来事"だと思っていた現実が、急に自分と地続きのものとして迫ってきた気がしました。
そこから初めて知った、"数字"の重み
会場を出たあと、気になってスマホで調べてみると、
2024年時点で、日本人口とほぼ同じ数の1億2,000万人以上の人が紛争や迫害などによって故郷を離れざるを得ない状況だと知りました。「難民」の定義はなかなか複雑なのですが、この数は国内外に避難している人の総数です。
ただの数字として聞けば大きすぎて実感が湧かないはずなのに、
映画で出会った“ひとりの人生”と重ねると、まったく違う意味を持って見えてきました。
創価学会は、難民支援にどう関わってきたのか?
映画をきっかけに、創価学会(SGI)の取り組みについても改めて調べてみました。
すると、
- 国連経済社会理事会(ECOSOC)の諮問資格を持つNGOとして、紛争予防・人権教育の提言
- 国内外の避難民・被災者への緊急支援金や物資の提供
- 継続的にUNHCRへ支援金を寄託(2025年にはスーダン、コンゴ民主共和国への支援として実施)
- 2017年から日本国内での意識啓発のため実施する難民映画の自主上映会
- 2021年から中東ヨルダンで、難民支援の一環として実施する音楽教育プロジェクト
など、意識啓発や人権教育といった「難民を生む原因」への対処と「難民を支える現場」への支援の両方で積み重ねられてきた取り組みが見えてきました。
規模の大小はあっても、根底に流れるのはいつも
"あらゆる人の尊厳を守りたい"という思いです。
オープニング上映会のあとに広がっていた、小さな"対話"
上映後のロビーでは、初対面の人どうしが自然に感想を語り合っていました。
「あのシーン、忘れられないね」
「自分だったらどう感じただろう」
大きな行動ではないかもしれませんが、
こうした小さな対話が、確実に理解の輪を広げていく。
そんな空気を実感しました。
そして今年の難民映画祭は、オンラインでも視聴できます
今年の難民映画祭は、
オンラインで視聴することもできて、12月7日まで開催しています。
視聴は、寄付つき参加のほか、若い世代が参加しやすいよう無料参加も選べるしくみになっています。
映画館に足を運べなかった人でも、自分のペースで作品と向き合うことができます。
スクリーンの向こうにある"誰かの人生"。
それに触れることで、心が少しだけ動くかもしれません。
オンライン視聴はこちら(Peatix)
