「白山さんへの冤罪報道事件」について

「白山さんへの冤罪報道事件」とは、交通事故の「被害者」であった白山信之さんを「週刊新潮」が事実をねじ曲げて「加害者」に仕立て上げた事件です。白山夫妻は発行元の新潮社に対して裁判を起こし、全面勝訴しています。

白山さんは「被害者」

1994年7月21日、北海道大滝村の国道で、日蓮正宗深妙寺の住職・大橋信明が運転する乗用車が、スピードオーバーでセンターラインを越えて反対車線にはみ出し、たまたま対向車線を走っていた白山さんが運転するトラックに衝突。この事故で住職は約4時間後に死亡し、白山さんも負傷しました。後日、住職側の保険会社が現場調査して作成した報告書によれば、事故原因は、住職の「スピードの出しすぎによるハンドル操作の誤りによるもの」で、過失責任は「100対0」。ニュースでも、乗用車のスピード違反が原因、と報道された。つまり、白山さんは明らかに事故の「被害者」でした。

事実をねじ曲げた「週刊新潮」

しかし、「週刊新潮」(同年9月1日号)は、白山さんが創価学会の地区部長であることに目を付け、「大石寺『僧侶』を衝突死させた創価学会幹部」との見出しで掲載。全国紙に広告が大きく掲載されました。創価学会への悪印象を植え付けることを目論み、あたかも白山さんが故意に事故を起こし、大橋を死亡させたかのごとく、事実をねじ曲げて報じたのです。白山さんの妻は、精神的ストレスが原因で入院を余儀なくされました。10月5日、白山さん夫妻は発行元である新潮社を相手取り、損害賠償請求の訴えを起こしました。

白山夫妻「全面勝訴」

裁判の過程では「大石寺『僧侶』を衝突死させた」云々の事実無根の大見出しが、記事の完成前に既に決められていたことも明らかになりました。
1審判決は96年12月20日、札幌地裁で言い渡されました。判決は、週刊誌の記事は客観的なものではなく、見出しを掲げた広告自体を名誉毀損と認定するもので、「到底公正な論評と言うことはできない」「文章全体として違法性は阻却されない」と厳しく裁断。また「取材は予め決められた方向に沿って行われた」と、その悪質さを認定し、新潮社側に110万円の損害賠償を命じました。
続く2審判決は翌年9月、札幌高裁で言い渡され、ここでも1審原告の勝訴となり、110万円の賠償が命じられました。新潮社は不服として上告しましたが、98年3月に棄却され、白山さんの全面勝訴が最高裁で確定しました。
高裁判決では、新潮社の取材について「予め決められた創価学会批判の方向に沿ってされたのではないかとの疑問は払拭できない」と、初めから結論ありきの姿勢を厳しく指摘していました。

捏造記事が国会で取り上げられるという「人権侵害」

この「週刊新潮」(同年9月1日号)の捏造記事が、あろうことか国権の最高機関である国会で取り上げられました。約1カ月後の10月11日、NHKでも中継される国会の予算委員会で、ある代議士が同記事を取り上げ、わざわざ悪意に満ちた見出しを読み上げ、あたかも創価学会が反社会的で危険な団体であるかのような質問を行ったのです。
裁判で白山さんの勝訴が確定した後、国会質問した代議士は白山さん夫妻と創価学会に対し、謝罪をしています。