さあ、今ここから 2023年新年の御書「撰時抄」

みなさん、新年あけましておめでとうございます!
「新年の御書」担当のサツキです。

新しい一年の始まりです!みなさんは、どんな年にしたいですか?私は、家族や仲間たちが健やかに過ごせるように、仕事面できちんと成果を残せるように(秋に大規模なカンファレンスで発表があるのです…汗)、ますます朗らかに、ポジティブに頑張る一年にしていきたいと思います!

創価学会には毎年のテーマがあり、2023年は「青年・凱歌の年」です。「凱歌」とは、「戦いに勝って帰る時の歌。勝利を祝う歌。かちどき」(『広辞苑』第7版、岩波書店)です。すごく勇ましいテーマなのですが、自分自身の目標を明確に、いろんなことに負けないでゴールまで歩み抜いていくという、着実な生き方が表れています。

一年のスタートに当たり、このポイントについて、信仰を持っていない方にも理解しやすい視点から、創価学会の2023年「新年の御書」である「撰時抄」(注)を拝します!

(注)撰時抄[せんじしょう]
1275年(建治元年)、日蓮大聖人が身延で御述作になり、駿河国西山(静岡県富士宮市西山)に住んでいた由井(由比)氏に送られた書。五大部の一つ。本抄で大聖人は、仏の教えは衆生の機根(仏教を理解して信じ、実践する能力・資質)ではなく時に従って説かれることを確証されていく。仏の滅後、その教えの功力が消滅する末法時代に、法華経の肝心である南無妙法蓮華経が日本および全世界に流布することは疑いないのであり、その主体者こそが大聖人御自身であるとして、「日蓮は閻浮第一の法華経の行者なり」(御書新版175ページ・御書全集266ページ)等と宣言されている。

「唱え伝うる」主体的な生き方を

本文

衆流あつまりて大海となる。微塵つもりて須弥山となれり。日蓮が法華経を信じ始めしは、日本国には一渧一微塵のごとし。法華経を二人・三人・十人・百千万億人唱え伝うるほどならば、妙覚の須弥山ともなり、大涅槃の大海ともなるべし。仏になる道は、これよりほかに、またもとむることなかれ。

(御書新版205ページ9行目~12行目、御書全集288ページ4行目~7行目)

意味

多くの川の流れが集まって大海となり、小さな塵が積もって須弥山となったのである。
日蓮が法華経を信じ始めたのは、日本国にとっては、一滴の水、一粒の塵のようなものである。やがて、法華経の題目を、二人、三人、十人、百千万億人と、唱え伝えていくならば、妙覚の須弥山ともなり、大涅槃の大海ともなるであろう。仏になる道は、これよりほかに求めてはならない。

語句の説明

・「妙覚」(みょうかく)
仏の優れた覚りの境地
・「須弥山」(しゅみせん)
古代インドの宇宙観で、一つの世界の中心にあると考えられている巨大な山。
・「涅槃」(ねはん)
覚りを得て輪廻の苦悩から解放された、完全な平安で自在な境地のこと。

広々とした大海には、無数の川から水が流れ込んできます。雄大な山々は、無数の小さな土(塵)からできています。つまり、大海も大山も、もとをたどれば一滴の水、一粒の塵からなっていると言えます。いかにも当然のことですが、改めて考えると、ものすごく壮大なスケールですよね!

日蓮大聖人が、法華経の肝心である南無妙法蓮華経の題目を唱え、弘め始められたのは、ただお一人からでした。そこから、二人、三人、十人…と広がっていったのです。さらに、その広がりは大山となり、大海となっていくであろうと述べられています。これは未来への展望であり、確信であると言えるのではないでしょうか。その期待は、世界192カ国・地域に広がった創価学会によって果たされました。

そして、仏の優れた覚りの境地(妙覚)、苦悩から離れた安穏な境地(涅槃)に、みんなで到達できるのが、南無妙法蓮華経の教えです。ほかに成仏の道はないと、大聖人は断言されています。

特にこの御文では、「唱え伝うる」とあるように、単に“受け手”として受動的に過ごすのではなく、一人一人が主体者として能動的に生きていくことの大切さを学ぶことができます。

「なかなか難しいかな…」と思う目標でも、「ちょっと遠いなぁ…」と感じるような夢でも、そこを目指して歩いていくのは自分自身です。たとえ今は一滴や一粒のようであっても、必ず到達できる大山や大海を目指し、着実に進んでいく。そんな一年にできるといいですよね!

池田先生は、「いかなる人の人生も、自分自身の『物語』を書きつづっているのではないでしょうか。他の誰のでもない、自分の物語です。どんなことから書き始めるか、どんな波瀾万丈の筋書きにするか、どういう逆転劇を描くか、一切を自分で決めていくのです」(『世界広布新時代の指針』)と述べられています。

さあ、今から、ここから、私の挑戦が始まります!目標や夢に向かって、心晴れやかに一年を出発していきましょう!

御書のページ数は、創価学会発行の『日蓮大聖人御書全集 新版』(御書新版)、『日蓮大聖人御書全集』(御書全集)のものです。

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