春のストレス解消マジック!―マインドをサクサクとリフレッシュ

進学や就職など、新しい出会いがあったり、新たな環境に変わったりする春。ワクワクする人もいれば、なかなか環境にうまく適応できず、さまざまなストレスを抱える人が多くなるのもまた、この季節です。やがて「五月病」というワードを聞く時期がやってきます。

ストレスが多い春でも、心軽やかに過ごしたい!そこで、そのためのヒントを、仏法を通して考えてみたいと思います。

日蓮大聖人の御書(お手紙や論文など)の中に、人生を豊かにしていくためのヒントを探る――新シリーズ「#LIFE with GOSHO」の第1弾、スタートです!

ぼくは曲がるけれど折れない

ラ・フォンテーヌというフランスの詩人の作品に「カシの木とアシ」があります(『寓話〈上〉』今野一雄訳、岩波書店)。

強固な幹を持つ樫の木と、少しの風でもゆらゆらと揺れてしまう葦が登場する詩です。この中で葦は言います。

〝ぼくは曲がるけれど折れはしません〟

樫の木は、だいたいの強風には耐えることができますが、あまりに激しい嵐には耐えきれず折れてしまう可能性があります。折れた木は、元に戻りません。

しかし、葦は柔らかいため、たとえ曲がったとしても、しなやかに元の姿に戻ることができます。

ストレスがかかったとき、一時的にその形を変えるけれども、すぐに元に戻ることができる――。

このしなやかな強さは、近年、「レジリエンス」(注)という概念として注目されています。ストレスがひしめく現代において、個人や社会にとって、とても重要な概念だからです。

(注)レジリエンス
注:直訳すると「弾力」や「復元力」。もともとは物理学の用語であったが、そこから精神医学や心理学の分野でも使われるように。困難を乗り越える力などとも説明される。

レジリエンスな励ましの世界

日常生活を振り返ってみましょう。

人間関係、将来の不安、仕事の悩み、病気になってしまった…。人生においてストレスを避けることは不可能です。

ストレスを避ける、もしくは耐えようとするのではなく(とてつもない鋼のメンタルを持つ人は耐えられるかもしれませんが、私はそうではありません)、ストレスを受け止めても、しなやかに跳ね返すことのほうが、きっと多くの人にとっては大事な力ではないでしょうか。

しかし、「ストレスを受け止め、跳ね返す」ことにもエネルギーが必要です。その原動力は、どこから生み出せば良いのでしょう。

私たち創価学会員が、日々学んでいる御書には、困難を受け止め、しなやかに乗り越えていくための、〝レジリエンスな励ましの世界〟が広がっています。

人間は自分自身で強くなれる

私の大好きな一節があります。

「桜梅桃李――桜は桜、梅は梅、桃は桃、李は李と、おのおのの特質を改めることなく、そのままの姿で…」(御書新版1090ページ・御書全集784ページ、趣意)

自分のありのままの姿で、自分らしく輝いていくことができますよ――という仏法の教えです。

SNSによって、一人一人が情報を発信できる昨今。それは見方を変えれば、常に他人の情報にさらされていると言うこともできます。スマホを開けば、“かっこいい”あるいは“かわいい”人、社会的に“成功”したとされる人など、さまざまな人々と接します。それによって、自分と他人の違いも明らかになり、あこがれを感じたり、劣等感を持ったりするかもしれません。

しかし、他人との違いに左右されるのではなく、「あなた自身」こそ大事であり、自分で自分を輝かせていくことができるのが仏法であることを、日蓮大聖人は教えられています。

「桜梅桃李」を、よく聞く言葉に言い換えると、「多様性」といえるでしょうか。

他の誰とも異なる、自分ならではの個性を輝かせていこう――。常に他人との比較にさらされる現代において、人々の心に強く響くメッセージであると思います。

仏法の考えが、そのように背中を押すのは、“一人一人の中には、何にも負けず、生きていける力がある”と説くからです。この内的な力を確信し、開花させることを、創価学会員は目指しています。

そうすることで、さまざまな困難を受け止め、しなやかに乗り越えていくことができるのです。

池田先生は、「自身の尊厳性を自覚し、人生に意味を見いだし、生き方に誇りを持つことができれば、どんな環境にあっても、不屈の挑戦の勇気が湧いてきます。苦難に打ち勝つ強靱な力が、自身の生命に生まれてくるのです。人間は自分自身で強くなれるのです」(『調和と希望の仏法 「人間の宗教」の時代へ』)とつづっています。

春から初夏へ、明るい陽光に包まれながら、しなやかに、朗らかに進んでいきたいですね!

御書のページ数は、創価学会発行の『日蓮大聖人御書全集 新版』(御書新版)、『日蓮大聖人御書全集』(御書全集)のものです。

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