11月22日「いい夫婦の日」に寄せて

「結婚しなくても幸せになれるこの時代に、私は、あなたと結婚したいのです」――数年前、結婚情報誌「ゼクシィ」のCMで話題になったキャッチコピーです。

"誰の考えも否定せずに、結婚の良さをストレートに伝えている""時代性を捉える言葉の上に、女性の強い意志を重ねている"など、既婚者だけでなく、結婚を意識していない人からも多くの共感を呼びました。

昨今、婚姻件数は減少を続け、2021年には51.4万件と戦後最も少なくなりました。他方、50歳時点で「未婚」「離別」「死別」により配偶者のいない人の割合は、男女ともに約3割(2020年『男女共同参画白書』より)。この割合は増加していくことが予想され、2040年には全人口の約5割が独身になると予想する研究家もいます。

結婚に関するこうしたニュースを聞くことが多い今。前述のキャッチコピーからは、結婚の本来持つパワーが伝わってきます。

パートナーに求めるものは?

新婚時代を経て5年、10年、25年・・・・・・と続く結婚生活。まして今は人生100年時代。30歳で結婚すれば、70年連れ添うこともあり得ます。その間、夫婦円満で過ごせればいいですが、そう簡単ではありません。そもそも元は他人。育った環境や性格が違うのだから、意見が合わないことがあって当然でしょう。

特に仕事や育児に追われる20~40代は、夫婦関係の悩みを抱えることが多いといえます。

アプリの開発・運営事業などを行うコネヒト株式会社が良好な夫婦関係に関する調査を行ったところ、次のことが分かりました。

夫婦のみ、もしくは妊娠中の夫婦と、子の年齢が5~7歳の夫婦が、パートナーに求めるものは、第1位が「十分な夫婦の会話」。

それに対して、子の年齢が0~2歳の夫婦は、第1位が「パートナーの高い育児関与度」、第2位が「十分な夫婦の会話」、第3位が「パートナーの高い家事関与度」だったのです。

変化が最も過酷な時期

良好な夫婦関係のために、夫婦間のコミュニケーションが重要であることは間違いありません。ですが、産後2年という期間は「パートナーの育児・家事への高い関与」の優先度が上がることが分かります。

ここでパートナーが協力的な姿勢を見せてくれない、もしくは多忙すぎてコミットできないことで"離婚"という文字が頭をよぎる人もいるでしょう。事実、離婚件数全体の約4割が産後2年以内の離婚であることが分かっています。

もちろん、全ての夫婦に当てはまるわけではありません。大事なことは、産後という変化が最も過酷な時期に、互いに力を合わせて乗り越えていくことだと思います。

ちなみに創価学会女性部では、産前・産後の活動については、「妊娠初期・出産前2カ月・出産後4カ月くらいは、十分に体を休め、健康に気をつける」よう勧められています。

いわゆる、活動の"育休"のようなものです。個人的には、男性の活動にも"育休"のようなものがあれば、子育ての苦労も喜びも一緒に経験することができ、夫婦の絆をより強固なものにできると思います。

夫婦の関係は、家庭の幸福につながり、ひいては地域や社会の幸福につながっていくはずです。

夫婦力を上げるための5つの心得

夫婦共に100歳前後の方々を取材してきたノンフィクション作家の本岡典子さんは、「夫婦力」を上げるための5つの心得を聖教新聞で紹介してくれました。

笑顔・・・朝起きたら「おはよう」と笑顔で。1日1回は「アッハッハ」と大笑いも

② 見て見ぬふり・・・相手の失敗には寛容になり、お互いの自尊心を保って褒め合う

③ 触れ合い・・・何げない会話と肌の触れ合いが大切。脳が活性化され、心身が若返る

④ 愚行権・・・味付けの好みや飲酒の量など、少々の愚かな行為をする権利を認め合う

⑤ 健忘力・・・嫌なことはすぐに忘れる。二人で生きる時間は長いようで短いのだから


その上で、「良好な夫婦関係の要は『相手への尊敬心』」とも語っています。

数々の困難を一緒に乗り越えるためにも、日々の会話を大切にし、良好な夫婦関係を築いていきたいものです。

この記事のtag

#家庭・育児