勇気と希望を届ける不撓不屈の挑戦ー創価福岡先駆太鼓団13年の軌跡ー

273回の出演で23万人超に歓喜を

「俺たち創価福岡先駆太鼓、歓喜の鼓動を打ち鳴らせ!」――私たち創価福岡先駆太鼓団が演技中に発するフレーズ。何度、この言葉を響かせてきたことでしょうか。

創価福岡先駆太鼓団は、2010年に創価学会音楽隊の新設部門として全国に先駆けて結成され、本年(2023年)、13年目を迎えます。

これまで会内行事では186回、地域行事では79回、国際交流行事では8回、計273回の出演を通して、のべ23万人を越える方々に勇気と希望、そして〝歓喜の鼓動〟を届けてきました。

太鼓団が結成されるきっかけになったのは、2009年11月に開催された「韓日平和友情総会」。韓国SGI(創価学会インタナショナル)メンバーを前に、日本の文化である和太鼓の演舞を披露し、大きな感動の声が寄せられました。

2017年7月には仏教発祥の地・インド創価学会のメンバー代表200名が九州を来訪。歓迎セレモニーの演奏では、決して言葉は通じなくても、信仰を通して得た歓喜を伝える中で、音楽を通じて〝心がつながった!〟――そんな感覚に包まれました。

演奏終了後には会場のボルテージが最高潮に達し、両国の青年がステージ上で拳を突き上げ、「フォーエバー・ウィズ・センセイ!(永遠に池田先生と共に)」と何度も連呼。国境やあらゆる差異を超えて、心と心を結ぶ音楽文化運動の重要性を感じずにはいられませんでした。

また、2022年、日中国交正常化50周年を記念する「九州中日青年友好交流会」では、学会の会館を訪れた中国の駐福岡総領事、中国人留学生が出席。池田先生が両国に築かれた金の橋を、さらに太く、強いものにしていこうとの思いで演奏を披露することができました。

そのほか、プロの津軽三味線奏者「虎高」さんとのコラボ企画をはじめ、吹奏楽やエイサー、ダンスにも挑戦するなど、可能性を広げる努力を重ねてきました。また、福岡県を中心に構成されている団体「福岡山口和太鼓友輪会」に2014年から所属し、各地で活躍する太鼓団体との交流を図りつつ、同年よりふくおか県民文化祭の一環として開催される「福岡県和太鼓フェスティバル」にも出演してきました。同行事では、私たち太鼓団メンバーも役割を担うなど、文化振興の発展にも積極的に取り組んできました。

第29回福岡県和太鼓フェスティバル 2021年開催

池田先生は、私たち音楽隊に呼びかけてくださっています。
「人知れぬ努力と、恐れを知らぬ創意工夫を重ね、新鮮にして雄渾な新時代の暁鐘を思う存分に乱打していただきたいのだ」

師匠の指針通り、常に青年らしく、新しい挑戦から創価の文化運動の新しい局面を開いていこうと決意しています。

一打一音に込められた〝思い〟

仕事や学業はもちろん、経済苦や人間関係の悩み、子どもや家族の病苦。人生の苦悩に直面しながらも、団員は一回一回の出演に向けて、学会活動や地域貢献と、〝三立〟〝四立〟を超える挑戦を重ねながら、宿命転換のドラマをつづってきました。

音楽隊の魂。それは、一打一音に込められた、メンバーの〝思い〟です。

ここでは、創価福岡先駆太鼓団の団長である保坂亮佑さんにフォーカスします。

2022年に団長に就任した保坂さんが入団したのは2015年。母の勧めで太鼓団の練習に参加。この年は、日本太鼓協会が主催する「太鼓祭inふくおか第1回南日本大会」に初挑戦した年でした。

当時、メンバーのほとんどが、太鼓を始めたばかりの状況でしたが、何度も何度も練習を重ね、見事に本選を通過。信じられない結果に誰もが歓喜し、本気で優勝を目指して練習を本格化させました。

そんな時、保坂さんに、父から一本の電話が。母にがんが判明し、医者からは発見が遅れて進行しているため、手術はできないと告げられました。

大会に向けて太鼓に打ち込み、入団を後押ししてくれた母に感謝の気持ちを伝えたいと思っていた矢先の出来事。その後、さらに祖母にまでがんが見つかってしまいます。

「なんでこんなことに………」。心が折れそうになりながらも御本尊に向かう保坂さんでしたが、祈る中で「法華経を信ずる人は冬のごとし。冬は必ず春となる」との日蓮大聖人の御書の一節を思い出します。〝今、自分がやるべきことに全力を尽くそう〟。

〝演技を見てくださる方に勇気と希望を〟と、練習に打ち込みました。その後、祖母の手術は成功したものの、母は過酷な抗がん剤治療が始まるなど、状況は一進一退。

その最中で迎えた大会本番、母へ届けと一心不乱に打ち込みました。全国大会への切符をつかむことはできませんでしたが、「やり切った」と確信できる大会となりました。

翌年3月、母は病を克服し、太鼓団の演奏会場に初めて足を運ぶことができました。今では健康を取り戻し、毎回の出演のたびに姿を見せてくれています。

「冬は必ず春となる」と確信した保坂さんが原動力となり、2017年、創価福岡先駆太鼓団は地方大会で優勝し、全国大会に進出することができました。

「太鼓祭inソニックシティ2017 第9回日本一決定戦」

池田先生は語られています。
「音楽芸術は、苦闘する人を励ます生命の炎である。心は心でしか、温めることはできない。なかんずく、真摯に向上しゆく青年の音楽は、絶望の闇に震える友を蘇らせる光となり、熱となる」と。

さらに、池田先生が音楽隊に贈ってくださった音楽隊訓の一節に、こうあります。

「新しき時代、新しき民衆は、必ずや新しき音楽を、新しき人を待望していることは、必然である。その待望に応える人こそ、われら音楽隊員であり、栄光と自覚とをもちつつ、世界に乱舞してゆかれんことを」

演奏の技術はさることながら、大事なのは心。何より大事なことは、他者を励まそうとする心があるか。そう確信します。
心を磨く。そのために、私たちは自身の現実の課題から逃げず、信仰を持って挑み続けたい。

これからも不撓不屈の挑戦で新時代の暁鐘を打ち鳴らし、勇気と希望を届ける妙音を奏でていく決意です。

この記事のtag

#地域 #文化 #音楽

おすすめ記事