子育て日記。妻はうつです。「寝ること」と「ケア」のバランスの話

寝る子は育つ。

うちの2人の子もよく寝るので、すくすく育っている方だと思う。

小学生と保育園の年長さんだから、さすがに食べながら寝落ちするとか、ソファの角に顔を押しつけて立ったまま寝る(これがかわいいのなんの)なんて芸当を見せることはなくなった。

変わらないのは、どんなに前日嫌なことがあって大泣きしても、次の朝はケロッとしていること。

大人的に見ていて羨ましいなと、ときどき思う。

今の私にとっての幸せとは

妻は寝ても起きないことがある。

正確に言えば、起きたくても起きられない。

声をかけて促さなければ食事も水もとらずに3日くらいは平気でいってしまうかもしれない。

何がトリガーでそうなるのかは読めないことも多いが、疲労やストレスをためすぎないようにした方がいいのは確かだ。

妻は第2子出産後、産後うつになった。

今もうつは続いていて(それこそ10代から心療内科は通っていたが)、体調が良くて家族で出掛けることもあれば優れず横になっている時もある。

苦しいと思う。

ゆっくり休んで心も体も楽になっていってほしいな。

そのためには自分がもっと頑張らないと――こんなふうに自らに言い聞かせて、ここ5年やってきたつもりだ。

でも途中、「危なくなること」も何度かあった。

それは、妻と子が安心して寝られる体制をつくろうとすればするほど、支える側の寝る時間がなくなっていくから。

赤ちゃんは夜泣きするもの。

泣き声に気付くと、まだ睡眠状態のような脳みそを無理やり稼働させてミルクをつくり、子どもに飲ませる(妻が体調良い時は交代で)。

落ち着いた様子を確認して自分も布団へ。

すぐに夢うつつに。が、しばらくすると自分の肩を誰かが揺らす。

妻が「不安が押し寄せてつらい」と言うのだ。

マジか。

内心動揺するも「そうかそうか」と横で話を聞く。

気付けば外が明るくなっていて、何とも言えない気持ちが襲ってくる。

こういった日を繰り返すと、当然、私の心の余裕もなくなってくる。

朝の子どもたちのしたくを急いでしている横で妻は寝ている。

薬のせいもあろうが熟睡している。

しょうがない。

何度もそう思い込もうとするのだが、わかってはいるのだが、我慢できなくなってしまうのだ。

「少しは手伝ってくれよ。親なんだろ」。

こんな言葉をぶつけてしまい、後で自分が嫌になる。

妻も苦しくなるだけだし、何も良いことはない。

「そんなに苦労することないよ」。

疲れ切った顔をしていたのだろう。

ある日、私を心配したパパ友が食事に誘ってくれた。

とても新鮮な言葉だった。

家族を守ろうと踏ん張っているうちに、「一人で何とかしよう」と思い詰めていたからだ。

子育てや妻のケアを、自分と家族だけの閉じた世界で完結させるんじゃなくて、もっと外に開いてSOSを出して負担を減らした方がいいことに気付けた。

それからは周囲に事情を説明して助けを請うことが増えた。

職場や友人、創価学会の仲間にも話した。

行政にも働きかけて使える支援はどんどん利用していった。

そして、いろんな人がわが家に来てくれ、子どもたちと遊んでくれたり、面倒を見てくれたりするようになった。

子どもたちには、親以外にも大好きな友達のような親戚のような大人が何人もできた。

「◯◯さんは、今度いつ来るの?」。

そんなふうに子どもから聞かれることがあるくらいだ。

いつしか、私の睡眠時間は安定して確保できるようになっていた。

妻も回復傾向だ。

大げさかもしれないが、家族みんなで「おやすみ」と言って朝まで寝られることほど、幸せなことはないと思っている。

(※この記事は、妻の了承を得て書いています)

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